石切り場の賃貸
アエラ2006.12.25日号より。
石切り場を見つけ、ワインの貯蔵に倉庫貸しをしたら面白い。
大谷石の産地として知られる宇都宮市大谷町。
江戸末期から昭和50年代まで石を切り出していた石切り場の跡地は、
気温10から15度、湿度90%という環境に保たれたこの地下空間は、いまや30万本のワインが貯蔵されるワイン蔵。
大谷町には石切り場跡が数多い。気温及び湿度がそれぞれ違うので、すべてがワイン蔵に適しているわけではない。
しかも、石切り場を蔵に使えるように整える際には、高齢化して少なくなった石切職人の確保が難航したという。
「単に劣化を防ぐ「保存」と、ワインの魅力を引き出す「熟成」はまったく違うもの。この蔵でならワインは正しく年を取ることができる」
あまりに湿度が高いため、ラベルにカビが生えてしまうのだ。
判読さえ難しいボロボロのラベルを見て、「こんな汚いワインは売れない」と多くの酒屋やレストランから断られた。
しかし、ある日、しびしぶ預かってくれた酒店の店主から思いがけない電話がかかってきた。
「カビたラベルのワインのほうがおいしいと客が喜んでいる。追加注文を頼む。」
ラベルのカビは、最高の場所で熟成した証拠。
うまいワインの目印なのだ。
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